英語の学習、教材以外に何に触れていますか?

今回は、大人だからこそできるオススメ英語学習法をご紹介します。

読書をする人なら誰でもできる方法です。それは日本語に翻訳された一般の本を使って行う方法です。

日本には、日本語に訳された本が多数存在します。その数は、世界で一番多いとも言われています。
思えば、日本は漢文にレ点などをつけるなど、古代より外国の書物を翻訳してきた長〜い歴史と独特のテクノロジーがあります。ある国の考古学者が、日本の漢文解読の軌跡を見て「こりゃ凄い!」と驚かれたそうですよ。

その後も日本は、国を守る為に鎖国をしつつも、他国に遅れを取らない為に、中国、ポルトガル、オランダ、ドイツ、イギリス、アメリカ等、その時その分野の先進国から、積極的に情報を得る努力をし、翻訳技術をどんどん発達させてきたんですね。

島国らしい逞しいチャレンジです。今、日本の英和辞典のレベルは世界最高水準だと言われていますが、こうした先人たちの努力のおかげなんですね。

あらためて辞書を眺めてみると、有難い日本の財産だと感じます。どんどんデジタル化されていくこれからの時代だからこそ、このような感覚が薄れていかないようにしたいものです。

このように考えると、日本の英語教育が、読み書きや翻訳が中心になっていったことに納得できます。

だとすれば、翻訳本は日本の財産です。これを有効活用しない手はありません。

日本でもベストセラーになった本

例えばちょっと古い著書にはなりますが、、、

7つの習慣(スティーブン・R. コヴィー)
ビジョナリー・カンパニー(ジェームズ・C. コリンズ)

この2冊なんかは、読まれている方も大変多いかと思います。

では、この2冊の原書のタイトル、つまり英語のタイトルはご存知ですか?それは、以下のようになっています。

The 7 Habits of Highly Effective People [→7つの習慣]
Built to Last [→ビジョナリー・カンパニー]

〜7つの習慣 〜
The 7 Habits of Highly Effective People

先ず、「7つの習慣」ですが、タイトルからちょっと違いますよね。

例えば、日本語では「習慣」。英語では"Habits"

「習慣」と言われると正直、怠け者の私なんかは「ちょっと大変そうだなー」と感じてしまいます。(^^;

「習慣」を英語にすると日本人的には"Routine"を思い浮かべますね。

でも、英語のタイトルは"Habits"
"Habits"は、日本人的には「癖(クセ)」と訳すことが多いですね?

だから、タイトルは「7つの癖」とも訳せます。

でも、「7つの癖」だと語感的にカッコ良くないですよね?

日本語で「癖」というと少しネガティブなイメージがありますが、実は、英語の"Habits"は、そんなことはありません。

また、日本語でも「習慣」は、頭で決めて実行するイメージがありますが、「癖」というと頭で考えなくとも、カラダが勝手に動いてしまうというイメージがありますね。

だから、なんでも「癖」にしてしまうとラクということなんですね。

この "The 7 Habits"は、この「癖」の方の意味に近いです。

だから、"The 7 Habits of Highly Effective People"は、"Highly Effective People"(高度なデキル奴/人生の成功者)になるための"The 7 Habits"(7つの癖)をつけます。

ということをいきなりタイトルでアピールしてます。

ちなみに、2冊目の「ビジョナリー・カンパニー(Built to Last)」の副題も、"Successful Habits of Visionary Companies"となっており、ここでも"Habits"が使われています。

英語の世界では、「癖 "Habit"」は、とてもポジティブな意味で頻繁に使われるんですね。

熟語では、"make a habit of doing〜"、もしくは "make it a habit to 〜" で「〜することを習慣化する」  という風に使います。

このように、タイトルだけでもいろいろと味わうことができます。
これだけでも、本の中身に入る時ワクワクしませんか?

目次だけでも英語のセンスが広がる

「7つのHabits」の目次の対訳を見てみましょう!

【日本語】【英語】
第1の習慣
主体性を発揮する
Habit 1
Be Proactive
第2の習慣
目的を持って始める
Habit 2
Begin with the End in Mind
第3の習慣
重要事項を優先する
Habit 3
Put First Things First
第4の習慣
Win-Winを考える
Habit 4
Think Win/Win
第5の習慣
理解してから理解される
Habit 5
Seek First to Understand, Then to Be Understood
第6の習慣
相乗効果を発揮する
Habit 6
Synergize
第7の習慣
刃を研ぐ
Habit 7
Sharpen the Saw

どうでしょうか?
もしかして、英語の方が分かりやすい人も居るかもしれません。

訳され方ももちろん勉強になりますが、例えば、“Habit 2”の"Begin with the End in Mind"なんて、なんとなくかっこ良くないですか?

しかも、全て簡単な単語ですね。

直感的に訳せば、「着地点を明確にしてことを始めようぜ」(夢やなりたい姿、将来みたい景色など、最終イメージをしっかりもって)というイメージです。

"Seek First to Understand, Then to Be Understood" なんかも、個人的に気に入っています。

これらは、まだまだタイトルに過ぎません。
本文中には、沢山の素晴らしい言葉が詰まっています。

しかも、上記のように意外にも簡単な単語で書かれています。名文や名言は簡単な単語でできていることが多いです。逆に言えば、シンプルな言葉で表現されているから名言になるんですね。

この「7つの習慣」は、深〜い本ですので、翻訳者の方は、本の中身(意味/文脈)を一般的な日本語に訳すことに大変なご苦労があったのではと推測します。それだけに、みなさんには、日本語版と共に英語版もゲットして頂ければなあと思います。

日本語で読めばせっかくなら英語でも!

最後になってしまいましたが、翻訳された著書を使っての大人の英語学習の方法をまとめますと、

【1】 自分の興味のある翻訳著書を購入する。(ビジネス、自己啓発、スピリチュアル、何でもOK。)
【2】 その原書(英語版)も購入する。(アマゾンで何でも手に入ります。)
【3】 先ずは、日本語版を読む。
【4】 日本語版で心が動いた、琴線に触れた内容や文章をマークする。
【5】 マークした文章を英語版の中で探す。
【6】 その英語を「My english(自分の英語)」にして使う。

以上のように、なにも英語版を完読する必要はありません。無論、読破すればそれはそれで素晴らしいことですが、、、。
それより、母語で大枠、情報収集した上で、英語を読む方が効率的、効果的だと思います。

記憶というのは、感情とともに残ります。感情が大きく揺れるな出来事が、いつまでも記憶にとどめられるように、記憶は、情緒や感情の働きに影響されてます。感動したり情緒が働く読書と共に学んだ英語は一生ものの知識(記憶)となります。

「読書の時間を大切にせよ。一冊の本との出会いがあなたの生き方を変えてくれるのだから」
-- Joseph Murphy

そして、読書によって知的なバイリンガルへと自分を変えて行きましょう。

Weでは、このような読書会的にレッスンをデザインされる方もいらっしゃいます。
読書家の講師も多々おりますので、お試し頂ければ嬉しく思います!

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